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休眠抵当権抹消登記の顛末記②


休眠抵当権抹消登記の顛末記①の続きです。

 

抵当権抹消方法の検討

平成25年8月1日(木)

午後、甲43号の休眠抵当権抹消登記について、7月31日福岡法務局八幡出張所へ相談票を提出した件につき、係官○○様より回答があった。

回答:法人登記簿の請求は、郵便による請求でも可。但し、請求に際し、休眠抵当権抹消登記のために請求したとの付言をして、請求書にこれが書かれていればよいとの事。

調査書の書式をFAXしていただいた。

平成25年8月2日(金)

1 甲43号の休眠抵当権抹消登記の登記義務者○○合資会社の閉鎖謄本(コンピューター化以前の閉鎖謄本)が午後3時半ごろ、速達で届いた。

(1)主要な登記事項

  商号          ○○合資会社

  本店          児島郡下津井町大字下津井○○○番地

  設立の年月日      明治43年3月25日

  解散の事由及び年月日  大正9年4月23日総社員の合意に依り解散 

                                            大正9年4月29日登記㊞

  清算人の氏名、住所    住所(省略)  氏名○○○○

                  大正9年4月29日登記㊞

  清算結了の年月日    空白

  予備          昭和50年3月31日登記用紙閉鎖㊞

  社員の氏名、住所、   住所(省略)  無限責任社員 ○○○○

                                         住所(省略)  有限責任社員 ○○○○

                        住所(省略)  有限責任社員 ○○○○

(2)以上の情報のもとに、本件休眠抵当権が不動産登記法143条3項後段の規定による簡便な方法を用いて抹消できないかを検討した。

法人の行方不明の要件の調査

 以下に、登記研究634号「訓令・通達・回答」(5322)の解説の一部を掲載する。

                  記

不動産登記法142条3項後段の規定により、登記権利者が単独で抵当権等の抹消登記を申請するためには、4つの要件が必要とされている(昭和63年7月1日付け民三第3456号民事局長通達第三の一、登研487号156ページ)。

①先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請する場合であること。

②登記義務者が行方不明であるために、共同申請の方法によって登記の抹消ができない場合であること。

③債権の弁済期から20年を経過していること。

④債権、利息、損害金の全額に相当する金銭を供託したことを証明する書面を添付すること。

本件事案の担保権は、抵当権であり、弁済期から20年を経過しているから、①、③の要件を満たしていることについては問題ないが、②の「登記義務者が行方不明であること」の要件を満たしているか否かが問題になる。

②の要件を満たしていることを証明するためには、登記義務者の行方の知れないことを証する書面を提出しなければならないとされ(不動産登記法施行細則45条前段)、登記義務者が法人の場合の「行方不明であること」を証する書面とは、申請人が当該法人の所在地を管轄する登記所等において調査した結果を記載した書面(申請人の印鑑証明書を添付したもの)をいい(昭和63年7月1日付け民三第3465号民事局長通達第三の四)、当該調査書は、少なくとも申請人又はその代理人が登記簿上の所在地を管轄する登記所において、当該法人の登記簿若しくは閉鎖登記簿の謄本若しくは抄本の交付又はこれらの登記簿の閲覧を請求したが、該当する登記簿又は閉鎖登記簿が存在しないため、その目的を達することができなかった旨を記載したものでなければならないとされている(昭和63年7月1日付け民三第3499号民事局第三課長依命通知第一の二、登研487号162ページ)。

すなわち、「法人の登記簿又は閉鎖登記簿が管轄の登記所に存在しない」ことが、法人が「行方不明であること」の要件とされている。

ところで、商業登記簿は、原則として解散の登記がされても閉鎖されない(組織変更による解散の登記を除く。)が、解散の登記をしてから10年を経過したときは、登記官が職権で登記簿を閉鎖することができる(商業登記規則(現)81条第1項1号)ので、法律上解散したとされた日から10年を経過し、かつ、閉鎖登記簿の保存期間である20年が経過したとき、すなわち、法定解散の日から30年を経過した場合には、「法人の登記簿又は閉鎖登記簿が管轄の登記所に存在しない」状態が生じることとなる。:(以下、この状態を「法人の登記簿又は閉鎖登記簿のみなし不存在」と呼ぶことにする。)

これに対し、会社以外の法人の登記簿については、商業登記規則(現)81条の規定が準用されていない(法人登記規則9条)ので、会社以外の法人については、解散の登記がされても、清算結了の登記がされるまでは登記簿が閉鎖されないことになる。このため、会社以外の法人の登記簿については、清算結了の登記がされるまでは「法人の登記簿又は閉鎖登記簿が管轄の登記所に存在しない」状態は生じないことになる。

そうすると、本件事案では、B農業会の登記簿は、清算結了の登記がされるまでは閉鎖されないので、不動産登記法142条3項後段の規定による抵当権の抹消登記の手続きにおける「登記義務者が行方不明であることの要件を満たしていないことになり、この規定に基づく登記の申請はすることができないことになる。

(以上、法人の行方不明であることの要件の解説、抜粋した。)

(3)本件○○合資会社が行方不明であることの要件の考察・検討結果

上記の解説によると、法人解散の日から10年経過し、閉鎖登記簿の保存期間20年を経過していること。すなわち法人解散の日から30年を経過していれば、「法人の登記簿又は閉鎖登記簿が管轄の登記所に存在しない」状態が生じたことになる、とあり、これが法人の行方不明であることの要件とされていると考える。

(法人の登記簿又は閉鎖登記簿のみなし不存在=但し、法人の閉鎖謄本は発行される。)

上記の解説の趣旨は、法人の閉鎖登記簿につき、保存期間20年を経過したものでもこれを廃棄したとする情報はないところから、すべての法人の閉鎖登記簿は保存されているものと考えられる。しかして、法人解散の日から30年以上経過した法人の閉鎖謄本が発行される蓋然性は高く、法142項3項後段の規定が死文化されることを避けるため、このような解説がなされたものと推察する。

よって、本件の○○合資会社は大正9年4月23日の解散から現時点で96年を経過し、昭和50年3月31日の登記用紙閉鎖から現時点で41年経過しているところから、前述と同様に、「法人の登記簿又は閉鎖登記簿が管轄の登記所に存在しない」との状態が生じていることになり、○○合資会社は上記解説における法人の行方不明の要件を満たしているものと結論する。

登記所の見解を尋ねる

2 福岡法務局八幡出張所に以上の解説、検討結果を報告し、簡便な方法で抵当権抹消ができるとの当職の見解の可否をお尋ねしたところ、来週の月曜日に回答するとの事であった。

 

 

休眠抵当権抹消登記の顛末記③に続きます。

 

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