2015.12.04
自筆証書遺言を作る。
自筆証書遺言を作成する場合、一定の作成条件があり、この条件を備えていない遺言は無効となります。
民法では、自筆証書遺言について、次のとおり、定めています。
「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、
これに印を押さなければならない。」
「自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して
特にこれに署名し、かつ、 その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。」
(1)遺言者が手書きにより、遺言書全文を書かなくてはなりません。
鉛筆などの消すことのできる筆記具ではなく、消すことのできない筆記具を使います。
パソコン、ワープロ、タイプライターによって作成された遺言書、音声による遺言書、
映像による遺言書 は自筆証書遺言にはなりません。
(2)作成した日付を必ず書きます。
複数の遺言書が見つかった場合、日付の新しい遺言書が優先され、遺言内容が抵触する部分に
ついては、日付の新しい遺言で日付の古い遺言を取り消したものとされます。
「何歳の誕生日」、「米寿祝賀の日」など、正確に日付が分かる記載は認められます。
「平成27年11月吉日」など、正確な日付が分からない記載では認められません。
(3)遺言者の氏名を書き、遺言者の印を押します。
印は、実印だけでなく、認印でも認められます。場合によっては、拇印も認められますが、
争いを避けるため、実印、認印を使った方が良いです。
自筆証書遺言文例
遺 言 書 遺言者甲野太郎はこの遺言書により次のとおり遺言する。 1 妻甲野花子に次の財産を相続させる。 (1) 北九州市八幡西区〇〇町1丁目 1番 宅地 200平方メートル (2) 同所1番地 家屋番号 1番 木造瓦葺2階建 床面積 1階 85平方メートル 2階 65平方メートル (3) 上記家屋内にある一切の動産 (4) 〇〇銀行〇〇支店の私名義の普通預金及び定期預金全額 2 長男甲野一男に次の財産を相続させる。 (1) △△銀行△△支店の私名義の普通預金及び定期預金全額 (2) 〇〇株式会社の株式10万株
平成 年 月 日 北九州市八幡西区〇〇町1丁目1番1号 遺言者 甲野太郎 ㊞ |
(4)作成した自筆証書遺言の内容の加除、変更をする場合、訂正箇所に二重線を引き、
遺言者の印を押します。変更した旨を付記し、その付記について特に署名します。
加除変更した自筆証書遺言文例
遺 言 書 遺言者甲野太郎はこの遺言書により次のとおり遺言する。 1 妻甲野花子に次の財産を相続させる。 (1) 北九州市八幡西区〇〇町1丁目 301番地 宅地 200平方メートル この行3字訂正 201 ㊞ 甲野太郎 (2) 同所301番地 家屋番号 301番 木造瓦葺2階建 床面積 1階 85平方メートル 2階 65平方メートル (3) 上記家屋内にある一切の動産 (4) 〇〇銀行〇〇支店の私名義の普通預金及び定期預金全額 2 長男甲野一男に次の財産を相続させる。 (1) △△銀行△△支店の私名義の普通預金及び定期預金全額 (2) 〇〇株式会社 ㊞ 3 長女乙山梅子に次の財産を相続させる。 (1) ✕✕銀行✕✕支店の私名義の普通預金及び定期預金全額
平成 年 月 日 北九州市八幡西区〇〇町1丁目1番1号 遺言者 甲野太郎 ㊞ 付記 この遺言書13行目中「株式会社〇〇」とあるを「〇〇株式会社」と訂正した。 甲野太郎
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